法医学者のリアルなアルバイト事情

先日上↑のようなポストをしました。

、、、ということで、この歳にして現在再び職探しです!笑

今回は、法医学者がアルバイトをするとなった場合に「どのような選択肢があるのか?」について書いていきたいと思います。

※なお、2024年度から医師の働き方改革が始まるため、今回の記事とは状況が変わる可能性があります。

前提として…

基本的に法医学者は医師免許を持っているので、やはりそれを活用したアルバイトとなります。

保険診療等の臨床診療を行うには、原則として保険医登録や初期臨床研修修了が必要となるため、

今回は『医師免許は取得済 / 初期臨床研修は修了済』を前提として話を進めます。

① 当直医

最も法医学者にとってはポピュラーなアルバイトです。

主に夜の病院を守るお仕事です。(※日中の病院を守る“日直”というのもあります)

お給料は比較的良く、日中の業務時間が削られることがないメリットがありますが、

夜に働くわけですので、多かれ少なかれ「睡眠時間が確保しにくい」のがデメリットになります。

おそらく法医学者は、後述の医師としての対応が殆どない病院での当直(=いわゆる“寝当直”)を選ぶことが多いと思います。

当直医の業務内容は下記↓の2つに分けられます。

① 夜間に救急車などで来る患者さんの対応(救急外来対応)
② 入院している患者さんの急変対応(病棟管理)

当直医 (救急外来対応)

①では、基本的に救急を告示している病院(=救急車を受け入れている病院)で働くことになります。

「一夜に救急車はどれくらい来るのか?」は、各病院によって大きく違います。

ひっきりなしに患者さんが運ばれてくる病院もあれば、殆ど来ない病院もあります。

前者の方が当然お給料が良い傾向にはありますが、

おそらく多くの法医学者は後者を選ぶでしょう。笑

「でも、どれくらい受け入れているのかわからないから、応募するのが不安…」と思っている人も大丈夫です。

医師の転職サイトでは、きちんと「救急車の平均受け入れ数」が分かるようになっていますので、それを参考にすればおkです。

当直医 (病棟管理)

こちらでは、既に入院中の患者さんが、夜間に急変した場合に対応するのが役目です。

発熱したり、嘔吐したり、場合によっては「眠れません」という訴えに対応する必要があるかも知れません。

ですが、殆どの病院で、各対応の大まかな流れは決まっていることが多いですので、そこまで不安がる必要はないと思います。

その他、病院によっては“お看取り”が業務に含まれる場合もあります。

つまり患者さんの最期に立ち会うわけですね。

看取った後に死亡診断書を作成するのは、医師の大きな役割の一つです。

①と②で別々の医師が対応し、それぞれの医師が募集されていることもあれば、

両者を1人でこなさなければならない募集もあるので、自分のスキルやお給料などと相談しながら選ぶ必要があります。

あまり忙しい病院を選んでしまうと、本来の法医学業務に影響が出てしまうので注意が必要です。

② 健診バイト

健康診断時の診療を行うバイトです。

これもよく募集が出ているので、目にする機会は多いと思います。

臨床の深い専門知識がそこまで求められないため、法医学者の中でも、やっている先生はそれなりに多いです。

勤務時間も比較的ピッタリに終われます。

ただし、健康診断は原則日中に行われますので、大学の業務は多少なりとも削らなければなりません。

バイト内容は、健康診断に関連した問診や聴診、簡単な画像検査の読影などです。

医師が企業に赴くこともあれば、院内や健診センターで働くなど、勤務場所は募集によって様々です。

健康診断は基本的に健康な人が来るので、前述の当直医のような患者対応の不安はそこまでないと思います。

その逆に「健康な人が、病気に罹患している可能性もある」というのは、個人的にはたまに不安になることもありますが。

ただ仮にそこで「異常あり」と判断しても、そこから先にある精査は各専門家の先生方が対応するわけなので怖がらなくても大丈夫ですよ。

③ 往診医・訪問診療医・オンコール医師

厳密には3者それぞれ意味は違いますが、「実際に患者さんの元へ赴く」という点では共通しています。

往診医:在宅の急病患者に対応する
訪問診療医:かかりつけ患者さんの在宅での通常診療をする
オンコール医師:かかりつけ患者さんの在宅での急病対応をする (それまでは待機)

私は↑のような認識です。

これは昨今の在宅看取りの件数増加やコロナ禍の流れを受けて、近年ググッと増えました。(それも最近の診療報酬改定でどうなるのか…?)

往診医は、そういった往診医のバイトを募集しているサイトに登録するようですね。(私自身働いたことがないので詳細はわかりません…)

訪問診療医は、もちろん個人宅に訪問する場合もあれば、施設に入所されている方の診察などもあるようです。

オンコール医師は「何もなければ実働はゼロ」ということもあるようで、その点、前述の“当直医”より肉体的負担は少ないと言えます。(もちろんいつでも呼ばれたら向かえる状態で待機していなければなりません)

また往診医やオンコール医師の場合は、夜間や休日に働くことも可能ですので、日中の大学業務への影響を軽減することも可能です。

④ 産業医

これは少し特殊で、医師免許以外に、日本医師会等が開催する所定の産業医講習を受けて“産業医”の資格を取る必要があります。

取得の詳細は割愛しますが、このため、やや働くまでに若干のハードルがあります。

業務内容は、事業所で働く方々の健康管理に加え、1〜2ヶ月に最低一回は実際に作業所等を巡視します。

比較的拘束時間は少ないため、せっかく産業医の資格を持っているなら選んでみるのも良いでしょう。

その他

その他のバイトとしては、特に臨床経験の富んだ法医学者なら、自分の専門を活かしたアルバイトも想定されます。

・放射線科の画像読影バイト
・消化器内科の内視鏡検査バイト
・麻酔科の術中麻酔バイト
・腎臓内科の透析バイト

こういった専門スキルを活かしたバイトは比較的高収入なので、時間的な都合がつくなら積極的に選択するのもアリですよね。

以上、いくつかの医師のバイト形態を取り上げてみました。

法医学をメインとして働くのなら、お給料はもちろんですが、“時間的制約”も大切な観点になってきます。

バイトばかりして、法医学がおざなりになるのも考え物ですからね…。

法医学との両立をイメージしながら選ぶことが重要ですね。

では、私自身は何を選んだのか…?

結論から言うと、結局知り合いのクリニックで外来診療をお手伝いすることになりました!

まさかの今回の記事では取り上げなかった形態です…。笑

というのも、医師として一般的な臨床医ではありませんから、まず最初に法医学者の勤務形態を理解してもらう必要があるのと、

やはり久しぶりの臨床は不安があったのて、、、最近クリニックを立ち上げた友人のところで週1回働かせてもらうことにしました。

いやぁ、持つべきものは友ですねッ!

また臨床医として生きている人のためにも働きながら、臨床医学を勉強していきたいと思います!

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