法医学者になりたい人がやるべきこと

法医学者になる(≒ 院卒)は通常、医学部卒業後から6年かかります。

医学部は6年間なので、それを含めると、法医学者として独り立ちするまで大学入学から12年も掛かってしまいます。。

そうなると、仮に大学生1年生に法医学の勧誘をしても、12年という年月に心変わりするのは致し方ないと思ってしまう私もいます…。苦笑

さて、しかし!

意識の高い人の中には、

「いやいや!私は12年間であろうと、ずっと法医学を目指してやるぜーッ!!」

みたいなごく少数でもいるかも知れません。(てか、いて!)

今回はそんな人に向けた記事です。

ズバリ「法医学者になりたい人がやっておくべきこと」です。

御託は並べず、さっさと本題に入りましょう!

~ 大学生未満の場合 〜

まず医学部に入学しよう!

大学生未満、つまり高校生や中学生の方々はですね、、、まずは【医学部に入ること】これが唯一かつ最優先事項です。

医学部に入らないと、法医学者(法医、法医学医)にはなれません。

まずは日々の勉強をしっかりとこなし、この先やってくるであろう医学部受験に備えてください。

ちなみに「どの大学がいいか?」に関しては、様々な意見があります。

個人的には、ひとまず「どこであろうと、将来性としては大きく変わらない」と思っています。

もちろん、各大学によって、法医学教育への力の入れ方は多少違うかも知れません。

ですが、学部生の間の知識なんて、法医学全体の中では極々小さなものに過ぎません。

大学院入学の段階できちんと法医学教室を選べばよいと思います。

~ 現役医学生の場合 〜

医学全般の知識をしっかり学ぼう!

ここでも、決して「ひたすら法医学の知識を増やそう!」ではないことに注目です。

法医学は、様々な医学知識の統合医学です。

基礎医学の知識はもちろん、臨床知識も必須です!

法医学知識に関しては、当然法医学の講義がありますので、必然的に基礎知識はある程度学べますしね。

法医学教室の人と仲良くなろう!

これも割と重要な気がしますねー。

これは決して「法医学を学ぶため」ではなく、

「法医学の雰囲気を知るため」という意味合いが強いです。

法医学は特殊な世界なので、実際にその場に浸っている法医学者と知り合いになって、

「法医学ってこんなところなんだ」という感覚を持つと良いと思いますよ。

学会に連れて行ってもらっても良いかも知れませんね!

仲良くなれば将来的な進路相談とかもできるでしょうし、母校は実際法医学に触れる際に最も身近な窓口となりますよ。

実験や研究手法を学ぶ(※オプション)

このあたりは「できれば万々歳」程度のものです。

達成できなくても何ら問題はありません。

私自身も学部生の頃はそんなの全く考えたこともなかったですから。笑

あとで振り返った時に、「これやっとけば楽だったなー」と思ったくらいですね。

~ 研修医の場合 〜

法医学との接点を持とう!

研修医になると、一気に臨床医が身近になります。

自身も臨床医として働くわけですもんね。

そうなると、当然法医学との接点が減ります、、、というか、基本的にゼロになります。

接点が減ると、いざ法医学に入門しようとした際に躊躇いが出ます。(ただでさえ足を踏み入れにくい存在なのに…苦笑)

なので、個人的には何とか学部の頃からの接点を引き続き保っててほしいです。

具体的には、母校の法医学の先生とたまには連絡を取ってみたり、学会に顔を出してみたり…なんてところでしょうか。

これだけでもだいぶ距離感が戻ってきます。笑

臨床医学をしっかり学ぼう!

人によっては、「院生になったらお金掛かるし、研修医の頃は地方で高給ハイポで…」と思っている人もいるかも知れません。

ですが、個人的にはそれはあまりおすすめしません。

というのは、前述のように「法医学の現場でも臨床知識は必須」ですし、

それに加え、「院生になったら、臨床のバイトをする必要が出てくる」からです。

なので、普通に2年間は必死に患者さんのために働き学んでください。

いろんな法医学教室を知ろう!

研修医が終われば、実際に院生として法医学を学び始めます。

大学入学時の選択とは違い、この院入学時の法医学教室選びは極めて重要です。

法医学の基礎がそこでほぼ培われるからですね。

なので、その「院(法医学教室)をどこにするか?」を優位に進めるために、母校以外の法医学教室の情報も仕入れておくことを強くおすすめします。

確かに、最終的に母校の法医学教室に落ち着く人も実際には多いですよ。

もちろん、「母校の勝手が分かっててやりやすく良い」というのならそれで全然OKです。

ですが、そうでない場合(母校の法医学教室はイマイチ)もありますから…。

「母校の法医学教室はイケてるか?」を知るためにも、他を知ることも必要と私は思います。

~ 院生の場合 〜

研究をがんばろう!

もう実際に院に入ってしまえば、あとはその院の先生に指導してもらえば良い話なのですが、、、笑

あえて言うなら、やっぱり学位取得には研究実績が必要ですから、言うまでもなくそこはきちんと押さえる必要はありますかね。

解剖の経験数とかにも目が行っちゃいますけど、個人的には、

『まずきちんと4年で博士課程を卒業しましょう!』

ってのが最優先だと思います。

卒業が延びれば、学費も掛かってしまいますし、それだけ法医学者として働ける時期が先に延びちゃいますから。

学会で発表しよう!

おそらく多くの院で“論文掲載”が卒業規定だと思うので、むしろそっちはクリアしている(or することになる)でしょうが、学会発表はそうでもないところが多いようです。

院生なら通常、院の間に少なくとも一度は学会発表するとは思うのですが、中にはそうでない人も実際いるようで…さすがにそれは!

今は法医学会でも学生発表のセッションがあり(学部生も込み)発表のハードルは正直かなり低いです。

ぜひ学会発表しましょう!

〜 若手法医学者の場合 〜

研究を続けよう!

私自身もまだまだ若手なので、何とも言いがたいところはありますが、、、笑

しかし、自分にいつも言い聞かせているのが「研究から逃げるな!」です。

法医学者の任務である、“解剖”や“教育”というのは、言い方は悪いですが「嫌でもやらざるを得ない」んです。

一方、“研究”というのは、いろいろな言い訳をして逃げることをができてしまいます…。

そして、中堅になるにつれて、できる言い訳がどんどん増えてきます。笑

なので、研究マインドは決して捨て去ってはいけないんですよねぇ…。

私自身も決して胸を張れる研究結果を出せているわけではありませんが、

それでも今でも(何とか)続けています。

正直「くだらない研究」と言われてしまうこともありますが…

「全くやっていない人よりは何百倍も素晴らしいんだ!」と自分に言い聞かせています。

法医学に誇りを持とう!

法医学が軌道に乗ってくると、逆に多忙さがやりがいを忘れさせようとしてきます。

仕事でヘマをすることもあるでしょうし、感謝されることも少ないです。

それでも確実に世の中の役に立っています。

なぜなら「“法医学者にしかできないこと”は世の中にたくさんあるから」です。

超人手不足な現状の法医学においては、絶対的に貴方の力が必要です。

たまには、同じ法医学者仲間と愚痴を言い合うのも楽しいですよ!笑

是非これからの法医学を一緒に盛り上げていきましょうッ!!

ということで、

  • 大学生未満
  • 医学生
  • 研修医
  • 院生
  • 若手法医学者

今回は↑のように分けて自分なりに書いてみました。

法医学を目指す皆さんにとって、ひとつでも皆さんの参考になれば嬉しいですね!

タイトルとURLをコピーしました