スマートデバイスによる死因究明

スマートフォンは言うまでもなく、最近はスマートウォッチを着けている人が増えてきています。

若者だけでなく、ある程度年を重ねた人でも着けている人がザラにいますもんね。

(…実は、私も使ってます。)

すさまじい普及スピードですねーッ!!

そうなってくると…

「死因究明(特に死亡時間)の推定に使えるんじゃないか?」

と、法医学者じゃなくても思うわけです。

実際にNHKのニュースでこんな記事もありました。
(NHKニュース:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230227/k10013991991000.html)

※記事内の事例では、心拍計と酸素飽和度の記録データから、死亡時刻を特定しているようです。

ペースメーカーやループレコーダーのような医療機器は、すでに法医学でも注目されていますし、

↑の記事を読んで、私も同じようなスマートデバイスで特定できる事例が出てこないか気をつけてみたのですが、、、

実際には下記のような問題点が浮かび上がってきました。

・死後のロック解除が困難である
・プライバシーの問題
・同意を取れる遺族がいない場合は利用しがたい

特に1つ目が致命的でした。。

生前に家族に教えていたり、近くにメモっていたりして、パスワードが明らかな場合は別ですが、(そうそうないでしょうが…)

最近のスマートフォンは、ロックがかなり厳重になっています。

パスコードや指紋認証、顔認証…。

近年はパスコードなどで間違い回数が一定を超えると初期化される…なんて機能もあるようですからね。。

指紋認証は、死後は微弱電流の関係で使用できないそうです。
(参考記事:https://iphone-mania.jp/news-207965/)

顔認証は…何となくいけそうな気はしますけどね。

腐敗や死後の顔貌の変化で、顔認証もNGとなるのでしょうか…?

そして、それらが仮に突破できたとしても、プライバシーの問題があります。

遺族の同意が取れればスムーズに事が運ぶのでしょうが、

とは言え、スマホの中身なんて超プライベートなものですからね。。

親であろうと、みだりに何でも閲覧できるのも…やはり問題に感じます。(※死因究明は正統な理由となり得ますが)

同意をもらう遺族がいなければ、強制力を行使せざるを得ないことになりますので、やはりハードルは上がります。

Apple社はこういったサービスもあるようですので、是非こちらも普及してほしい…。
(Appleページ①:https://support.apple.com/ja-jp/HT208510)
(Appleページ②:https://support.apple.com/ja-jp/HT212360)

そんなこんなで、スマートデバイスによる死因究明は、確実に技術的には可能となってきていると思います。

特に不整脈なんて、解剖ではすごく指摘の難しい疾患ですからね。

スマートデバイスがすこぶる力を発揮する領域だと思いますッ!

今後、例えば死ぬ間際の映像をスマートデバイスが録画するようになったりすれば、他の疾患にも広く応用できるでしょう。

後は倫理的な観点がどうなるか…?ですね。(むしろそちらの方が難問か?)

今後どうなっていくのでしょうか!?

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