解剖時の合掌の意義

法医学ドラマで、よく解剖前に合掌する描写があると思います。

「実際はこんなことやってるはずないでしょ笑」

そう思っている人もいると思いますが、

実は私自身は解剖開始時に合掌し「お願いします」と言うんですよね。

実際のところ、割と合掌する法医学者は多いのではないでしょうか?

では「なぜ合掌するのか?」

そう言われると、統一された明確な答えを出すのは難しいです。

「最初にそう教わったから」

そういう法医学者もいるかも知れません。
(※ちなみに私のお師匠さんは合掌しません)

私の場合は「自然とやっていた…」というのが最も正しいです。

別に私は無宗教なので、手を合わせることに特段の宗教的意味合いはありません。

ただ逆に、急に無言でメスを入れ、解剖を始めるのも違う気がしますし、

『解剖を開始する際に、気持ちを切り替えるスイッチがほしい』というのがあったのだと思います。

気持ちを切り替えるだけなら「お願いします」という発言だけでよいのでしょうが、

更にそこに“合掌”が加わることで、より気持ちがグッと引き締まる気がします。

手術の“タイムアウト”みたいな感じですかね。

そして、そんな私につられて、周りも気持ちを引き締めてくれているような…?

もちろん合掌には「手を合わせることでご遺体を弔う」という意味合いもあります。

ただそれだけでなく『自分自身、そして周りの気持ちを一旦リセットし切り替える』という効果もあるのです。

なので、、、個人的に、法医学者の方にはおすすめですよッ!

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