法医学の教科書あれこれ

法医学の教科書にはいくつかあります。

これから勉強をしようと思う学生さんの中には、

「新品は高いから、中古の本を先輩から貰って…」

と考えている人もいると思いますが、、、

購入までしなくとも、せめて“最新版”を手に入れるようにしてくださいッ!

医学は日進月歩、法医学も日々微々変わっています。

“必ず”最新版ですッ!!

近年出版されるような教科書は、記載内容が殆ど似通っているため、どの本を購入しても大きく間違うことはありません。

本の大きさや写真の見やすさ、行間など、おおよそ細かな“見せ方”が違うだけですので、自分に合った本を購入してください。

そもそも定期的にアップデートされるような法医学の教科書は、近年ではもう数冊程度しかありません。

・標準法医学 (医学書院, 2022年, 第8版, 6050円)

・法医学 (南山堂, 2022年, 改訂4版, 6050円)

・死体検案ハンドブック (金芳堂, 2020年, 第4版, 7700円)

・NEWエッセンシャル法医学 (医歯薬出版, 第6版, 9680円)

この辺りですかね。

個人的には“標準法医学”が癖もなく画像もカラーで見やすいので好きです。※COIはありません。笑

上に挙げたの本の多くが、複数の法医学者の先生によって分担執筆されたものです。

つまり何人もの先生が、各分野を分担して本を作り上げているわけですね。

従って、専門性を保ちつつも、あまり大きく逸れた内容とならないようになっているようです。

その分、印税は少なくなってしまいそうですが…。笑

昔は、有名な先生がいろんな法医学の本を出版していたりしたんですけどねー。

しかも、割と分担ではなく、単独執筆(or +1人くらいの分担)だったりするものも多かった印象です。

内容の偏りはやはりあったものの、エキスパートオピニオン的に、結構“尖って”いたり“攻めた”内容の教科書も多かったので、読み物としては大変興味深かったものです。

昨今は法医学も進歩し、エビデンスのある内容が重視される時代ですからね。

法医学界的にあまり一般的でない、実験的な内容は“教科書”としては、記載が避けられれる傾向にあるようです。

私個人的には、通り一遍な本が世に並ぶよりも、いろんな個性のある本が出版される方が好きなのですが…

こういった事情も、教科書の内容が似通う理由かも知れませんね。

法医学の本なんてなかなか数も売れませんし、残念ながら、これから教科書のラインナップが増えるとは思えません。

何でもネットで済む時代になりつつあるのも、こういった傾向に拍車をかけているのかも知れませんね。。

とは言え、ネットに書いていない法医学知識なんて山ほどありますし、

若手法医学者も、まずは教科書を読んで勉強しますからね。

是非とも素晴らしい教科書の出版が止まないことを今後も祈るばかりです…。

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