学会で質問するということ

学会で発表することの重要性や素晴らしさは、前回記事にしました。

今回は“質問する”ということにフォーカスを当てたいと思います。

演題の発表が終わると、発表を取り仕切る座長が必ずフロアから質問を募ります。

そこでオーディエンスは手を挙げて質問をする、、、という感じですね。

もし万が一フロアからの質問が無ければ、座長が質問を“必ず”します。

発表が終わって、そのまま質問もなく終わることはまずあり得ません。

演題を学会の“骨”とするなら、質問は学会の“肉”と言えます。

それくらい“質問”は、演題発表において、無くてはならない存在なのですーッ!

では、何故質問は重要なのか?

それは、、、「発表者は完璧な存在ではないから」だと私は思っています。

やはりどんな演題発表でも、それだけで全て理解できる完全無欠な演題というのは存在しません。

何かしら、言葉や説明が不足していたり、第三者からすると伝わらない箇所というのが演題には多々あります。

それを質問および回答によって、うまく軌道修正するわけですねー。

また、仮に言葉足らずや突っ込みどころが全く無かったとしても、オーディエンスからの質問によって新たな視点や見方が生まれます。

質問によって、演題が更なる深みを生むわけですね。

素晴らしい質問は、その演題の価値を何倍にも上げてくれるのですッ!!

逆に言えば、せっかく演題は良いのに、質問は「うーん、、、」なこともあり得ます。

・発表の中で言っていたことの繰り返しや同じことをただ確認するだけのもの

・ひたすら自分の経験や主観ばかりを述べるもの

・研究の本筋と逸れた全く関係のないもの

・発表者の努力や人格を否定しかねない非教育的なもの

・そもそも質問の内容がわかりにくい、何を聞きたいのか周りに伝わらないもの

…etc

質問できる時間も限られていますからね。

貴重な時間をそんな質問に費やしてしまうのは、やはりもったいない。。

しかし、こういうことを考え出すと、なかなか経験の浅い間は質問できないものでして、考えすぎるのも一長一短です。。

指導医によっては、「若手の間はとにかく質問しまくれ!」みたいな指導をすることもあるようですが、私は違いました…。笑

私が始めて学会に行ったのは、研修医の頃でした。

指導医からは、

「馬鹿みたいな質問で、人様の演題の価値を下げるな!」

「質問するなら、演者だけでなく周りのオーディエンスも勉強になるような質問をしろ!」

こう言われたんですよね。。

…まぁ、そんなの若手には無理ですよ。笑

そんなこと言い出したら、若手は全く質問できません。

その際はブーブー文句を呟きながら、結局その次の地方会で初めての質問をした記憶があります。

でも、前述のように、かつての指導医が伝えたかったことも確かにわかります。

私自身は余程お馬鹿なものじゃなくて、自分が本気で考えた質問なら、全然質問しても良いと思いますけどねッ!

そんなことを考えると、どんな演題・演者・座長だったら質問して良さそうか?という空気を読む能力も要るのかも知れませんね。笑

以上のように、学会は“発表”だけが全てではありません。

「質の良い質問をする」というのも同じくらい学会を盛り上げてくれます。

近年は徐々に演題も減ってきてしまっているそうですが、

演題にも質問にもチャレンジする人が増えて、学会が更なる盛り上がりを再び見せてくれることを願うばかりですッ!!

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