法医学者への100の質問 66〜75番目

なかなか100個の質問に答えるのも簡単ではないですねー。

こんなに自分を見つめ直したのはいつぶりだろうか?笑

法医学を考え直す良い機会になってます!

法医学と日常の交差

66. 友達や家族に法医学の話をしますか?

法医学ブログ
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これは全くないですね!

仕事の話は捜査情報のこともありますし、個別の事例に関しては一言も話しません。

ただもちろん、法医学(者)全般のお話は普通にしますよ!

正直、個別の事例について聞かれることもありますが、一切話すことはないですねー。

「○○の事件って解剖したんでしょ?」

「××の被害者ってどんな状態だったの?」

とかですね。

こういった話は一切口にしません。

最近は家族や友人も分かってくれたので、そもそも聞かれることが殆どなくなりましたよ。

一方で、法医学全般に関することは普通に話します。

私自身はあまり自分を語るタイプではないのですが、やはり法医学者を目の前にした他人からすると興味が沸くみたいで…。笑

「解剖ってどんなことするの?」

「どこでやってるの?」

「お給料は良いの?」

等々、初対面の方とお話する際は、かなりの確率で質問攻めにされます。笑

少しでも法医学への理解が広まることを信じて、ビシバシ質問を打ち返していますよーッ!!

67. 外食する時、衛生面が気になりますか?

法医学ブログ
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あ、私はそういうの全く気にならないタイプです。笑

助手A
助手A

それは医療人としてどうなの…?

私はこういう類いのヤツ、全然大丈夫なんですよねぇ。

落ちたのすらフーフーして食べちゃうタイプで…。

でも、解剖中は清潔・不潔の点はかなり厳しい方だと思いますよ。

警察官とかそのあたりの感覚が無い人も多いので、結構きつめに言っちゃってます。。

67. 何かを見たり聞いたりして、法医学者として「職業病」を感じたことは?

法医学ブログ
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「○○県で遺体が発見されました」というニュースがあれば、『どこで発見されたのか?』と、そのご遺体の“死因”の2点は確実に気になっちゃいますねー。

これは確実に法医学者の職業病でしょうね。

ニュースで遺体が発見された際、

  1. どこで亡くなったのか? → ex.) 「○○先生の所かぁ…お疲れ様です」「ま、まさか、うちじゃないよね!?」など
  2. 死因は何だったのか? → ex.) 「死因が××って、、、どんな解剖所見だったんだろう?」「ま、まさか解剖してないわけないよね…?」など

このあたりはどの法医学者でも気になってしまうところでしょう。

あとは、多くの方の死を見てきていますので、「●●さんが若くして亡くなられました…」みたいなニュースも特段驚きはしなくなってしまいました。

若かろうが亡くなる人もいます。

それを知ってしまった法医学者の悲しい想いですね。。

69. 法医学者として働く上で、プライベートに支障はありますか?

法医学ブログ
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法医学者であることが直接プライベートに支障が出ることは殆ど無いです。

強いて言えば、初対面の人に職業を聞かれて「法医学者って…?」と聞き直されることが多いことと、お給料が安くなって懐が寒いことくらいですかね。笑

法医学者になって、プライベートでの支障はあまり無いですよー。快適です。

ほんと、初対面の人に仕事を1度で伝えるのが困難である点と、給料が(医者の中では)少ない点くらいです。

むしろ良い理由として、「知り合いの警察官に捕まったら恥ずかしいから」という理由から、

『(法医学に入る前に比べて)より一層車の運転が慎重になった』というのがあります。笑

70. 犯罪ニュースをどう見ていますか?

法医学ブログ
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真面目な話、前述の職業病的な思考以外はあまり深く考えないようにしています。

特に自分の執刀する事例に重ね合わせて、「個人の感情でどうこう〜」というのが無いように気をつけているくらいですね。

もちろん、ひとつの事件に対して、悲しい・残念のような人として当たり前の感情は抱きます。

ですが、そこに深入りして、感情的になるようなことは極力避けるよう、普段からそれ関連の感情はあまり強く持たないように心掛けています。

法医学者の感情次第で、鑑定結果の如何が左右されることはあってはならないですからね。

法医学者は常に【科学的で公正な医学的】でなければいけません。

71. 鑑定結果がプライベートに影響を与えることはありますか?

法医学ブログ
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あまり思いつきませんが、交通事故死とかも見てますんで、自家用車は絶対に軽自動車にはしませんねー。

いろいろな原因で亡くなる方を見てきているわけですが、私自身は宿命論・運命論的な考えのところもあって、

自分自身に関してはどこか「死ぬ時は死ぬのだ」みたいな考えが根底にあったりするんですよね。

なので、他人の死を見ても、あまりそれを参考にして「気をつけよう」とかいう考えにはならないんです…。(人様が同じ過ちを繰り返さないように、何か私も力になれれば…とは思いますよ)

唯一、軽自動車はひしゃげ易いので、同乗者のこともありますから、自家用車は必ず普通自動車を買うようにしています。(それも自分が独身だったらあまり気にせず軽自動車に乗っていたと思う)

ちなみに、逆に【プライベートが鑑定結果に影響を与える】みたいなのは絶対にありませんよッ!!

72. 事件に巻き込まれたことはありますか?

法医学ブログ
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そのような経験は今まで一度もないですねー。

よく「犯人から襲われそう」と言われるんですが、我々法医学者の周りには警察官が山ほどいらっしゃいますからね。

どんな医者よりも安心できますよ。笑

“法医学者として”事件に巻き込まれた経験もないですし、“一般人として”(←コナン君的な)もありません。

、、、小学生の頃、私が飼育係としてお世話していたチャボが、一夜にしてみんな死んでしまった事件は経験したことがあります。。

当初私が若干疑われたのですが、調べてみると小屋の下に隙間があって、結局犯人は裏山に住んでいたイタチでした。(その後、ブロックで穴を封鎖するも、度々ズレてしまい、再度同じ事件が起きてしまったのが本当に悲しい)

助手A
助手A

何の話…?

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いや、、、多感なあの頃の私には結構辛かったのよ。。

73. 友人や家族に「この事件どう思う?」と聞かれることはありますか?

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上でも書いたように、あることはあります。

でも、答えることはありません。

前述の通り、あまり個別の事件についてどうこういうことはありませんね。

それが仮に私自身とは全く関係のないものであっても、です。

家族もそういうニュースを話題にすること自体殆どありませんので助かってます。(気を遣ってくれているのかな?)

74. 法医学者としての視点で普段の生活で役立つことは?

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そうねぇ…何事にも疑ってかかる視点でしょうか。笑

助手B
助手B

単なるめんどくさい奴じゃん。

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そういう人間になってしまわないように、常に自分を客観視する能力も必要ッ!!

以前の質問にも答えたように、「本当にそうなのか?」という視点は、生活する上でいろいろと助けられている気はします。

ただ助手さんが指摘するように、これが過ぎると単に“めんどくさいヤツ”になってしまいますし、

それが確認不可能な事項だったりすると、場合によっては“陰謀論者”になってしまいかねません。

なので、常に客観的な視点も忘れてはいけませんね。

法医学者としては、主観的になってしまわず、“科学的・医学的”を拠り所とすることが重要ですねッ!!

75. 「絶対にやらない」と決めていることは?

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【他人の意見や、その場の雰囲気に流される】ことは絶対にないようにしています。

何事においても、必ず自分で判断根拠を追求し、その上で自分なりの意見を持つようにしています。

そういう意味では、“頑固者”と言われてしまうかも知れないですが、やっぱり自分がする選択には自分で責任を取らねばならんでしょうッ!?

以上の10個が、法医学と日常に関する質問でした。

私はプライベートと仕事はきっぱり別けるタイプなので、通ずるところはあっても、交差することはあまりないんですよねぇ。

同じような質問を、他の法医学者にも聞いてみたいものです。笑

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