法医解剖に必須な道具 -脚立編-

近頃のドラマは、実際の法医解剖を忠実に再現していますね。

服装から道具から、解剖手順まで…。

新しいドラマが始めるたびにそこには感心しちゃいますよー。

ところが、最近気づいたのです。

「“アレ”が無いな」と。。

…それが“脚立”なのです!

オフィス家具、文具、事務用品のPLUS プラス株式会社

解剖の際には必ず写真を撮影します。

「解剖時どのような状態だったか?」ということを記録に残すためですね。

「どこに傷があったか?」なんて言葉でダラダラ説明するより、写真(画像)で示せば一発ですからね。

法医解剖での撮影は、原則として上から見下ろすように撮ります。(そもそも横からは撮りにくいですからね)

この際、取り出した後の臓器であれば、上から撮影も比較的容易です。

普通に撮影台に置いて、撮ればよいですからね。

しかし、ご遺体の皮膚に出来たキズだったらどうでしょうか?

そして、例えば、ご遺体全身を入れて撮りたい場合、、、

できるだけ“引き”で撮る必要がありますが、高さにも限界があります。

解剖台以外にご遺体の乗れるような大きさの台はありませんし、(いちいち移動も大変ですし…)

かといって、ご遺体を床に置くわけにもいきません。。

そこで、法医学では、高さの限界を超えるべく“脚立”を使うのです!

脚立を使うことによって、ご遺体を解剖台に乗せたまま、高さを確保して写真撮影できるわけですねー。

おそらく多くの法医学教室で脚立を容易しているのではないか?と思います。

また脚立を使うことで、

「警察が撮影する際に、解剖台に触れないようにする」

という効果もありますかね。

撮影した写真の如何によって、鑑定内容の説得力も変わり得ます。

それだけ、現代の法医実務において、写真(画像)は無くてはならない存在です。

「せっかく撮影したのにピンボケ・ブレブレだった」
「被写体に影が出来てしまっている」
「真正面から撮影できていない」
「撮影物のサイズがわからない(スケールが入っていない)」

こういったミスはできる限り避けなければなりません。

そう…実は法医学者には、写真撮影の上手さも求められるのですッ!!

ということで、おそらく、脚立まできちんと描写したドラマって多分まだないです…よね?(あったらすみません)

最近あるドラマを見返してて、そんなことをふと思ったのです。

手術室では照明に動画撮影するカメラが付いていたりしますが、

法医学でも今後そのような設備は導入されていくのでしょうかねー??

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