2026年 法医学全国集会参加後記@旭川

現実世界

2026年6月10日(水)〜12日(金)、北海道旭川市にて第110次日本法医学会学術全国集会が行われました。

私も3日間、参加させてもらったので、その参加後記を書きます。

今回は北海道での開催ということもあり、事前より遠方だと感じていたわけですが、「実際もやはり遠い!」というのがまずもっての印象でした。

  1. 旭川空港→旭川市
  2. 新千歳空港→電車→旭川市

と大きく2パターンありましたが、旭川空港でも空港から1時間弱、新千歳空港から電車で乗り継ぐ場合は、2時間程度かかります。

実際に私の周りでも、途中参加・中途離脱や延泊を選ぶ先生が少なくありませんでした。

しかし、気候は何と言ってもさすが北海道!

最終日に一瞬雨は降るくらいでしたが、それでも本州に比べて湿気はほとんどなし!

天気もその一瞬の雨くらいで、お天道様にも好かれた学会期間となりました。

それだけでも、気分的に十分満足感はあったのですが、会場となる大雪クリスタルホールは、モニュメントの目立つきれいなホールでした!

会場は、大ホールで参加者全員が入るとちょうどいっぱいになるくらいの規模感で、そこまで大きな会場でありませんでした。

ですが、その分移動は楽になるので、個人的には今回くらいの規模感が最も好きです。

大きすぎて座席が(相対的に)スカスカになってしまうのも、発表者としては辛いですからね。笑

ただ会場で言えば、残念なのが一点。「ポスター会場が別施設だったこと」です。

会場から徒歩3分の、激近の地場産ビルがポスター会場でした。

先の通り、本会場が中規模の施設だったためか、多くのポスターを貼る場所の確保が困難だったのでしょう。

理想を言えば、そこはやはり同施設内であってほしかったですね。

ただ結果的に、別施設とは言え、近くにそれを担える施設があったため何とかなった感じでしょうかね。

地場産ビルの中には、お土産屋さんや食事をとれるフードコートもあったので、むしろそういった役割分担としては「全然あり」だったといえます。

会場も大切ですが、一番重要なのは、そこで発表される各演題や講演です!

今回は「温故知新」がテーマ?だったのか、若手法医学者目線の法医学のピットフォールを紹介する講演もあり、実用的な内容も良かったです。

それだけでなく、法人類学の講演があったり、各演題でもアカデミックな内容が多くあり、大変興味深かったです。

少し具体的に書くと、、、

法人類学の先生からすると、頭蓋骨を見るだけで男女の区別は言うまでもなく、「その人が何時代の人か?」 はたまた「どの身分の人か?」も判断できるようです。

話を聞いて『さすがだなぁ』と感じましたね。

あと昨今話題の【焼却後の骨の鑑定の話】とか、ここには書けませんが、かなり勉強になりました。

学生発表も例年通り、どれもクオリティが高く、質問をしてもスラスラと答える姿は、法医学の明るい未来を感じざるを得ませんでしたよ!

ただ残念だったのが3点あります。

1つ目は「シンポジウムのあり方」です。

なかなか人材が不足する中で、主催者が依頼するのも大変だとは思うのですが、

多くの先生が、「依頼された時に何を話したらいいのか悩んだ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

皆さんかなり悩んで内容を決めたこととは思うのですが、各講演者がそれぞれバラバラな内容で話しており、

聴衆の1人の感想としては、テーマの一貫性をあまり感じられなかったです。(大テーマは当然揃っているけど、軸の部分がバラバラ)

また「シンポジウム」と銘打っていますが、単なる「発表時間が長い一般演題のオムニバス」になってしまっているものが多かったです。

シンポジウムなのに質問が1つだけとか、ディスカッションパートも講演者に対して聴衆が質問するだけだったり…。

一部で座長が「シンポジウム」の体をなすため、一つのテーマに対して各講演者に発言を求めるシーンはありましたが、講演者もその趣旨を理解してなかったような印象で…。

そこ以外はさっき書いたように、正直、厳しい言い方になりますが「長い一般演題」としか感じられなかったです。

もっとシンポジウムと名乗るなら、文字通り“シンポジウム”をしてほしいです。

2つ目は、「ポスター発表タイムにも関わらず、規定の時間に演者がいない」というのがちょこちょこあったことです。

法医学でのポスター発表は、「決められた時間にポスターの側に演者が立って、随時聴衆からの質問を受ける」というスタイルです。

学会によっては、「決められた時間に、順に演者がポスター内容を説明し、その後に質問を受ける」という形式(←口頭発表のポスターバージョン的な)も多いですが、法医学会ではそれではないのです。

なので、聴衆としては、ずっと側に演者が控えていてくれていないと、聴衆は質問したい時に質問できません。

そうやって、側に演者(らしき人)がいないポスターもちらほら見受けられて、「それってどうなの?」と感じた次第です。

最後は、その「聴衆の姿勢」ですね。

今回だけに限らず、平気でスライドやポスターを写真に撮る人がいて本当に毎回びっくりします。

それに気づいているのに注意しない自分も同罪なのかも知れませんが、あまりに非常識すぎる聴衆がいるのも事実です。

  • 好戦的な質問(という名の主張)をする聴衆
  • 一人で3個も4個も質問しちゃう聴衆

など、細かいことを言えば、そんな聴衆も気になっちゃいますよねー。

いやまぁ、どれに関しても「法医学界の規模が小さいので仕方ない」というのはやはりあるとは思います。

  • (人が少ないから)依頼できる人も少ないし、依頼を受けてくれる以上、あれこれ内容を要望できない
  • (人が少ないから)ポスター発表で座長を任せられるほどの人数がいない
  • (人が少ないから)質問する聴衆のレベルも様々

そういうのもあるのかなと思ったりします。

学会期間は3日ですが、初日のイベントは評議員会と関連行事くらいなので、実質的には2日間だけです。

施設内のホールの数もそこまで多くはなかったので、並列にセッションを設けるのにも限界があります。

その割にシンポジウムや講演では、講演者にある程度まとまった時間を割かなければならない、、、

となってくると、タイムスケジュールがキツキツになってしまうのもまた仕方のないことなのかもしれませんね。

とまぁ、スケジュール等も含めて厳しい意見は書きましたが、それでも学術的な満足感は高かったです!

そして、学会のもう一つの醍醐味といえば、やっぱり夜の部ですよね。

2日目の夜には懇親会が開催されました。

…だがしかし!

ここで私は大きなミスに気づくのです。

なんと「私は懇親会の参加者に含まれていなかった」のです…。(※私のミス)

どうやら今回の懇親会の定員は200名とかなり少なかったようで、申し込み時点で、私は定員に漏れてしまっていたようです。

法医学教室の事務さんが、それを私に伝え忘れてしまっていたようで、残念ながら、懇親会でのジンギスカンにはありつくことができませんでした。。

…でも、周りの先生に話をすると、今回は案外私と同じように定員漏れとなってしまった先生も一定数いたようで、

その「あぶれ組」で集まって、無事二次会に行くことができました。笑

『捨てる神あれば、拾う神あり』なのだ!!

でも、やっぱり大きな会場でいろんな出会いが生まれる公式の懇親会に行きたかったですね。(着替えを持ってくるのを忘れてたけど)

二次会(そして三次会)では、きちんとお世話になった先生にもたくさん会えて幸せでしたよ。

最初は、どこも「忙しい」「研究できてない」「若手いない」「教授選多い」「いよいよ、やばいよね」みたいな愚痴を言い合って、

そこはもう諦めムードでヘラヘラ笑って、あとはしょうもない話で散々盛り上がりました。

家庭の話から、お金の話。他大学の話や、時に真面目な法医学の話。

あぁ、これこれ!これが学会の醍醐味なんだよな!」と感じつつ、JCS2桁に乗りそうな頭にムチを打ってホテルに帰りました。

そんなこんなで、あっという間の3日間でした。

北海道の美味しい空気と自然(と味噌ラーメン・ジンギスカン・ビールなど)を堪能し、他大学の先生方との交流でエネルギーはフル充電できたと感じます。

来週からはまた、いつもの解剖室での過酷な日常が始まりますが、今回の学会で得た知見と浴びた愚痴を胸に、また1年間日々の業務と研究に向き合っていこうと思います。

来年の学会(次回は富山)もみんなと笑って再会できるよう、生き残らねばですね!笑

以上、第110次法医学会参加後記でした。旭川の皆様、本当にありがとうございました。

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