「解剖をお願いします」
そう言われた際に、検案(外表検査)だけで終わることは許されるだろうか?
『否』
これが常識的な答えでしょう。
やはり「解剖を!」と言われれば解剖するのが筋ですよね。
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それでは「解剖をお願いします」と言われて、“検案しないこと”は許されるのでしょうか?
これは、、、皆さんどう思いますか?
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法医学者からすれば、検案は解剖に必ず付随してくる過程と考えます。
「解剖して体内さえみれば死因がわかる」というものではありません。
もちろん検案だけでは、臓器を含む体内の状況が全く分からないので全く足りません。
しかし、検案だからこそわかる所見もあります。
具体的には創傷などでしょうか。
外傷を受けた際、外表は最も直接的な作用を受ける部位になります。
ですので、その外表の所見を細かく取ることは、解剖に必須なのですッ!
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そう考えると、やはり綿密な検案は必須ですよね。
解剖だけではダメ。
検案だけでもダメ。
解剖+検案であってこそ、品質の高い死因究明が行えるというものですッ!!